農地もない、機械もない、倉庫もない、人もいない、時間もない、お金もない、から始まりました。
通常であれば、親元で農家になったりすればこれらのほとんどの問題は解決できると思います。ですが私達は本当の意味での新規で畑をお借りするところから始まりました。何もなく、ゼロといっても過言ではありませんでした。耕作放棄地もどんどん開墾し、「早くたくさんの野菜を生み出したい」そのことばかり考えていました。
ゲミューゼという名前はドイツ語で「野菜」を意味しています。農家の生まれでも育ちでもない2人が少しずつたくさんの方と連携して農業の夢を実現しました。
前述のとおり最初は本当に何もありませんでした。ただあるのはやる気と、広がる田畑だけ。大学卒業と同時に農業の関連事業をこなしながら自社野菜の生産を安定的に行うまで畑の再生へと取り組みました。行政からの制度的支援は受けず、自由な経営を目指して自力で進んで参りました。農業機械も自分たちで働いて少しづつ増やしていきました。その過程で地域の方や今も関わっているたくさんの方からご支援を頂いたことは言うまでもありません。
私たちゲミューゼは学生農業団体として2015年2月に作られました。主な活動内容は「食農教育」や「野菜作り」でした。そしてその2年後の2017年、学生農業団体の発起メンバーの卒業を機に法人として生まれ変わりました。私たちの活動キーワードは「農から始まる新たなつながり」です。農業空間が持つ「人と人をつなげる力」を信じて考えられたのがこのキーワード。
現在、日本の食料事情や社会環境は様々な課題を抱えていると考えています。例えば、TPPであったり、残留農薬の問題、環境汚染、若手の農業参画の減少、不十分な行政の制度的支援、農業人口の高齢化などです。また、社会に対して生きづらさや窮屈さを感じている人も多いと聞きます。
私たちの活動によって、そんな課題の手助けになれば、それほど嬉しいことはありません。農業というものは食糧生産に重心を置かなければなりません。しかし、奈良という風土では大量生産大量販売が難しい時がしばしばあります。そんな時、私たちに出来ることは、農を通して「人と人を繋げる」ことだと考えています。自然の中で活動することは、生の空気に触れ、清々しいものです。時には、台風、大雨などの試練にも耐えなければなりません。
このように農業には「生産的な効果」と「福祉的な効果」を併せ持っていると考えています。作物生産を辞めれば、農業としての基礎である食料供給も成り立ちません。生産を続け、農業を一つの仕事として成り立たせることが大切です。日本や世界の多くの専業農家(生産を主軸とした農家)の生産力があるから、いつも手軽に食料が手に入ります。一方で「福祉的な効果」も忘れてはなりません。日本の原風景である棚田のような場所が作り出す、農業の風景は懐かしさや、安らぎを与えてくれます。それは人が作り出した自然に安心感を覚えているのかもしれません。自然の中で作物を育てていると、体力だけでなく、自然の力や自然の時間に耐える「忍耐力」や「継続力」が身に付きます。
農業にはそんな様々な効果があります。ゲミューゼの事業が、作物が皆様を笑顔に、日々の生活を豊かなものに出来るように努力していきます。今後ともご支援とご協力をよろしくお願い致します。
株式会社ゲミューゼ
島田 優
藤井 宏次
会社名 |
株式会社 ゲミューゼ |
設立年 |
2017年2月24日 |
代表取締役 |
島田 優 |
取締役 |
藤井 宏次 |
法人所在地 |
奈良県奈良市中山町 |
農場所在地 |
奈良県奈良市大和田町、奈良県大和郡山市中城町 |